ローカル線で行く、鹿児島往復日帰りの旅
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ローカル線で行く、鹿児島往復日帰りの旅@

今や九州北部から鹿児島に行くには、新幹線や飛行機を使うのが当たり前。今回、私はそれにあえて逆らい、全行程を全てローカル線で日帰りするという無謀な旅行を実行しました。

 2006年(平成18年)12月23日。最近、寒くて寝坊の多い私の体内時計が、今朝ばかりは正常に働いてくれたおかげで、朝の5:50に起床できた。朝食を食べ、パソコンのメールを確認して、6:17に自宅を出発。佐賀市内はまだ真っ暗だったが、それでも朝早くから散歩をしている人が何人か見受けられた。今回も、青春18きっぷのお世話になる。今年は、春、夏、そして冬と、全てのシーズンで青春18きっぷを利用した。寒さとともに、青春18きっぷのありがたさが身にしみる。

 佐賀6:35発の門司港行き快速(811系)に乗車。

 車内は、私以外に男性がもう一人乗っているという超がら空き状態だった。私は一旦、鳥栖を通り過ぎて基山駅まで行き、駅舎を撮影してそのまま逆方向の熊本行きの415系に乗った。

 車内は大部分のロングシートが埋まっていたが、立つ人はいなかった。久留米付近を走っていた頃、ようやく日の出を迎えた。この日の朝は霜がすごく、沿線の田畑は白くなっていた。

 久留米駅では多くの人が下車し、車内はガラガラに。祝日だからなのだろう。特急待避を行うので、数分間停車した。その間に、私は先頭車車端部にあるクロスシートのような座席に移動した。さすがにロングシートで熊本まで行くのはきつい。その座席に座った瞬間、ロングシートに座っていたからだと思うが、座り心地はかなり良く感じた。

 熊本には9:09に到着し、今度は八代行きの815系に乗り換えた。

 こちらもロングシートであるが、さすがは大都市・熊本。全て満席であった。なので、私は運転席後ろで前方風景を眺めることにした。約30分で八代に到着。ここから先は、九州新幹線鹿児島ルート開業に伴う並行在来線経営分離で誕生した「肥薩おれんじ鉄道」を利用する。売店で食料を買い込み、JR駅舎の隣にある「肥薩おれんじ鉄道」八代駅舎に入って、窓口で「おれんじ18フリーきっぷ」(2000円)を購入した。これは名前の通り、「青春18きっぷ」の肥薩おれんじ鉄道バージョンで、全線が1日乗り放題になる。しかし、“本家”とは全く関係がないわけでもなく、青春18きっぷの提示がないと買うことができない。(下の写真)

 ホームに出て、新八代発川内行きの快速「海風」を待った。やがて、新八代駅方面から、HSOR−100形がやって来た。イベント用車両が来るのか、と少し期待していたが、それは叶わなかった。

 列車は、9:58に八代駅を発車した。快速列車だが、停車駅はJR鹿児島本線時代の特急停車駅とその他需要のある駅のみである。

「あれが木村建設たい。」

 向かいの席に座っていた男性が、声を掛けてきた。

私:あの耐震強度で問題になったあの・・・?

男性:そうそう。今日はどこに行くの?

私:鹿児島です。

男性:へぇ、そうなの。一泊?

私:いえ、日帰りです。なので、1時間しかいることができません。

・・・という話をしばらくした。男性はこれから日奈久温泉に行って温泉に入り、お酒を飲んでまた八代まで帰って、夜に開かれる福岡ソフトバンクホークス・松中選手の講演会に参加するのだという。なるほど、ひざに載せてあったリュックサックには、「ダイエーホークス」とローマ字で書いてあった。漫画の「あぶさん」の後援会がこのあたりにできたということも話してくれた。この男性は、相当なホークスファンらしい。その男性は、日奈久温泉の最寄り駅である日奈久温泉駅で下車した。

 さてさて。私の旅はまだまだ半分も終わっていない。日奈久温泉駅を発車してしばらく行くと、右手に東シナ海が広がった。他の乗客たちも皆釘付けであった。

 途中の駅で運転停車をしながら、列車はどんどん南へ向かって行く。観光列車ということで、自動アナウンスで沿線の観光案内が行われた。たいてい、こういった自動アナウンスによる観光案内は聞き流すことが多いが、肥薩おれんじ鉄道のものは、まさに「ト〜リ〜ビ〜ア〜」であり、車窓に飽きたときは心の中で満へぇを連発していた。

 列車が出水平野に入った。すると、列車のスピードが落ち、運転士さんが「左手にマナヅルが3羽いますよ。」と案内してくれた。見れば、田んぼの中に灰色の背中が3つあった(白○)。

 観光案内放送によれば、マナヅルは国の天然記念物だそうで、10月中旬から12月下旬にかけてシベリアから飛来するという。その後、少し行ったところにも数羽いて、そこでも速度を落としてくれた。それにしても、実に嬉しいサービスだ。多少遅れても大丈夫なダイヤを組んでいるのだろうか。

 出水駅を発車してしばらく行くと、再び海のそばを走るようになった。断崖絶壁というほどではないが、すぐ目の前の岩礁を波が洗っている。音までは聞こえなかったが、見るだけで充分それを感じることができた。

 再び列車の速度が落ちた。「右手に見えますのが、人形岩です」と運転士さん。そう言えば観光案内放送でも案内されていた。だが、失礼ながら何となくその姿が不気味であった。

 12:06、列車は終点の川内駅に到着した。

 川内駅で途中下車し、駅舎を撮影した。

 駅構内に戻ったとき、ちょうど800系新幹線「つばめ」が停車しているところだった。

 再び在来線ホームに戻り、817系鹿児島中央行きに乗車した。

   ここから先は、鹿児島本線であるが、鹿児島本線から肥薩おれんじ鉄道に乗り換え、再び鹿児島本線となるのは、何とも不思議な気分だ。大半の座席が埋まっていたが、2両目に空席を発見したので、そこに座った。列車は12:22に川内駅を発車した。

 44分の乗車で終点の鹿児島中央駅に到着した。少し離れたホームに停車していた特急「はやとの風」とその近くに置いてあった「サボ」を撮影し、駅を出た。

 今度は、鹿児島市電に乗って鹿児島駅に向かう。最初に乗ろうとした電車は、真昼間なのにぎゅうぎゅう詰めの超満員。次の電車を待ち、やってきたのが9500形9503号車。車体の色がヤマト運輸の配送車そのままなので、遠くから見ると、本当に配送車に見えてしまうかもしれない。

 こちらは座ることができた。今日は天皇誕生日ということからか、右翼の街宣車が列を連ねて鹿児島市内を行ったり来たりしていた。その騒々しいこと。誰も聞いていないのに・・・と正直思った。市民も皆、うんざりしたような顔をしていた。繁華街である天文館付近を抜けると、静かになった。降りる直前に一日乗車券(600円)を購入した。予定では160円×3回しか乗らないが、20円の損でも記念になるのならば、というのが購入の理由である。

 鹿児島中央駅前から約20分ちょっとの乗車で鹿児島駅に到着した。

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