福岡県内JR全線&小野田線制覇完了旅行A

管理人が、夏休み最初の長距離旅行として香椎線、筑豊本線、小野田線の完全制覇と西鉄宮地岳線乗車に乗車した時の旅行記です。  JR和白駅は有人駅ながら、簡素な駅舎だった。

 西鉄の和白駅は、JR線を挟んだ反対側にあった。

 ちょうど313系が入ってきた。昭和20年代に製造された電車で、登場から既に半世紀以上経っている。

 その後、窓口で津屋崎までのきっぷを買い、津屋崎方面行きの電車を待つ。電車はすぐにやってきたが、行き先は次の三苫(みとま)まで。でも、やって来た電車がぜひとも乗ってみたかった313系だったので、乗車した。車内はガラガラで、私が乗った車両には3人しか乗っていなかった。

 和白や三苫は廃止対象区間ではないが、大都会の福岡市を走っているのにこの少なさでは、他の区間の廃止も不安である。

 電車は香椎線を跨いで、家やマンションの間をゆっくりと走って行く。

 宮地岳線の電車は発車後、到着前にチャイムが鳴るようになっていて、到着前のチャイムは、長崎電気軌道(路面電車)の始発チャイムと同じだった。電車は終点の三苫に到着。

 ちょうど反対方向の電車も入ってきた。

 その後、津屋崎方面のホームへ行き、電車を待った。ここでも電車はすぐにやって来た。だが、津屋崎の海水浴場へ向かうものと思われる親子連れが乗っていたものの、車内はやはり空いていた。2両目は無人だった。

 電車は独特のモータ音を唸らせながら、宮地岳線を走る。西鉄新宮を過ぎ、廃止対象区間に入った。電車に乗っていると、どこかで感じたことのある感覚があった。今年4月に乗った熊本電鉄とどことなく似ていたのだ。熊本電鉄も廃止される可能性が高い路線の一つだ。

 途中、右手に大きな横断幕が掲げてあった。それには「宮地岳線廃止反対!」という文字が・・・。車内はこのような状況でも、必要としている人はまだ大勢いるのだということを感じた。何とかがんばって欲しいものだが、路線を廃止しなくてはならないほどの状況に陥っている今、それは非常に難しい問題だ。私としても熊本電鉄を含めて旧型車両が走る貴重な路線だけに残っていて欲しい路線なのだが、残念ながら運行会社が廃止撤回した例は非常に少ない。

 津屋崎到着前には、チューリップの「心の旅」が放送チャイムとして流された。哀愁を帯びたそのメロディは、廃止が決定された宮地岳線に乗っている私を何とも言えない気持ちにさせた。

 電車は10:32に終点の津屋崎に到着した。

   電車を撮影しようとしていると、これから仕事に行くものと思われる西鉄の女性職員の方から、

「電車を撮っているのですか。」

と聞かれた。

「はい。来年に(宮地岳線の一部区間が)廃止なると聞いたので、佐賀から来たんです。廃止はやはり撤回できないものでしょうか・・・。」

「来年の・・・4月1日って聞いているけど、私もよく知らなくて・・・。もし電車をゆっくり撮影するんだったら、全区間(津屋崎〜貝塚)のきっぷを買うといくらでも途中下車できるから、それ使ってみるといいよ。」

「そういう制度があるんですね。ありがとうございます。」

 そう言うと、その職員の方は間もなく発車する電車に乗り込んだ。だが、私の計画だと、それは不可能で、津屋崎に30分ぐらい滞在した後、すぐに折り返さなくてはならない。改札口で、記念に、ときっぷに無効印を押してもらった。駅舎は平屋建てで、西鉄の職員の方が鉄道業務の傍らで売店も経営していた。

 駅のそばには、宮地岳線の延伸開通を記念した石碑が建てられていた。

 駅周辺を散策する。少し西に行ったところに、踏切があった。

 遠くまで続く線路。西鉄側が廃止撤回をしない限り、来年の今頃には、駅舎も、この線路も無い。石碑も無くなっているかも知れない。記念の石碑が建てられているということは、宮地岳線の延伸も多くの人々の悲願だったに違いない。だが、今はこうして、廃止の時が刻々と迫っている。宮地岳線が延伸開通した時、街の人々はこのような事態に陥ることなど、微塵にも感じなかっただろう。踏切を、並行する大きな道路を、多くの自動車が走って行く。

 時間が余ったので、私は津屋崎海岸に移動した。海岸は砂浜になっていて、海水浴客が水しぶきを上げて楽しんでいた。

 発車時間が迫ってきたので、津屋崎駅に戻る。電車はまだ入線していなかった。窓口できっぷを買い、横の売店でパンを買って入場。程なくして電車が入線した。

 乗客が全員降りた後、電車に乗り込む。発車まであと数分しかないが、私の他に乗っていたのは2、3人だけだった。

 わずか数名の乗客を乗せて、11:01に電車は津屋崎駅を発車した。そして、11:12に西鉄古賀駅に到着した。

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