福岡県内JR全線&小野田線制覇完了旅行B

管理人が、夏休み最初の長距離旅行として香椎線、筑豊本線、小野田線の完全制覇と西鉄宮地岳線乗車に乗車した時の旅行記です。  西鉄古賀駅からは、徒歩でJR古賀駅に向かう。時間があれば、和白まで戻って、香椎経由で鹿児島本線に乗れば良いが、今回はそうはいかない。地図で見ると、和白〜津屋崎では西鉄、JRの駅間距離が最も短いのは、西鉄古賀駅とJR古賀駅だったので、この駅での下車を選択したのである。

 例によってきっぷに無効印を押してもらい、駅舎を撮影して、

徒歩でJR古賀駅へ移動。

 ビルの陰からツバメが飛び出した。ツバメが飛び出してきた所を見ると、ツバメの巣があって、3羽のヒナが餌を待っていた。

 最近は、親が子を殺したり、子が親を殺したり、と、「なんで?」と思わざるを得ない事件が多発している。人を殺す、ということは、相手を信頼していないからではないだろうか。相手を信頼していればこそ、人と人との間に親近感が生まれる。逆に、人に対して嫌なことをすると、その信頼関係はあっという間に崩れ去る。「○○ちゃんにこうされたから。」だから殺す。餌を運ぶ親鳥と餌を待つヒナの関係は、どうだろう。しっかりとした信頼関係ができているではないか。

 昔の「家族」というものは、お金は全て親が管理して、子供はそれに依存する関係だったので、親は子供のために、子供は養ってもらう親のために、という信頼関係が成り立っていた。だが、現代の「家族」は、子供も経済力を持ってきたため、その信頼関係は崩れてしまいつつある。

 子供の財布の中は常に紙幣が入っていて、子供はいつでも自分の好きな靴や服を買うことができる。ファーストフード店に行けば、親を頼らずともお腹を満たすことができる。アルバイトをしない限り、そのお金は親から支給されたものがほとんどだと思うが、その支給額(おこづかい)は、昔に比べて相当上がっているはずだ。こうした家計の豊かさ、さらには経済力を持った子供が、家族間の信頼関係の崩壊を招いているのだと思う。

 徒歩6、7分ほどで、JR古賀駅に到着。

 改札口横の売店で、飲み物と大分県の「一村一品運動」のひとつであるという「かしわおにぎり」を購入した。かしわおにぎりはやや高めの値段だったが、一村一品運動の一環ならば、是非食べてみたいと持ったので、値段はあまり気にせず買った。

 ホームに降りて電車を待つ。間もなく11:27発の門司港行き各駅停車が入線したが、

 車内は立ち席が出るほどの満席。福間発車後にようやく座席にありつけた。早速、先ほど買ったかしわおにぎりを食べる。これが美味しかった。周囲を気にせず、2個を一気に・・・。もう少し味わって食べれば良かった・・・と今更ながら反省する。

 折尾には11:52に到着。ホームに降りた時、「べんとぉ〜、べんとぉ〜」と言いながら、駅弁売りのおじさんがホームを歩いていた。

 折尾では、絶対駅弁を買う、と決めていたので、早速駅弁売りのおじさんを呼んだ。少し離れていた駅弁売りのおじさんは、駅弁の入った古そうな木箱をゆらしながら、ひょこひょこと小走りでやってきた。

「はい、ありがとうございます。こちらがですね、かしわめしの630円と735円、それにおかずが付いたのがこちらの945円のものでございます。」

「それなら、945円のものを・・・。」

 と、私が千円札に手を掛けようとした時に、

「はい、千円からですね。はい、“五十万円”。」

 とても面白い人だった。そういえば、NHK−BSの「列島縦断!12000kmの旅」にも出演された駅弁売りのおじさんは、その番組でも自作の歌を披露されていた。

 私の後ろにも待っている人がいたので、私に弁当を渡すと、駅弁売りのおじさんは、再び急ぎ足でその人の所に行ったが、ちょうど特急列車が入ってきたので、

「ちょっとすいません、販売に行ってきますので。」

と言って、急ぎ足で特急のドアの近くに行ってしまった。今、折尾駅で立ち売りをしている販売員はこのおじさん1人だけで、火曜日以外毎日鹿児島本線の上りホームで駅弁を販売しているそうだ。忙しくホームを走り回っている駅弁売りのおじさんの健康を案じつつ、階段を降りた。

 この階段の壁と天井は、古いレンガとなっていて、おそらく1916年(大正5年)の駅舎建設時のものではないかと思われる。駅舎も大正時代のままで、折尾駅はどこもかしこも“文化遺産”である。なお、三枚目の写真は、筑豊本線ホームから撮影したものである。

 続いて、筑豊本線完全制覇のために、若松行きのキハ47形2連に乗車。

 空いているボックス席は少なかったが、トイレの前ながら1つ発見。仕方ないのでそこに座った。列車は12:05に折尾を発車。小さな山の中や住宅街、荒地など、車窓はころころと変わった。荒地の向こうには、洞海湾を挟んだ対岸の八幡の街が見えた。スペースワールドの観覧車やスペースシャトルも見えた。

 12:24、列車は若松駅に到着。筑豊本線制覇完了、そして福岡県内のJR全線制覇を完了したのだった。

 若松駅では10分しか時間が無いので急いで駅舎を撮影。駅前に設置してあったプレートによると、かつて若松駅は石炭取扱量日本一になったことがあるという。

 再び駅に入場。広いホームを見ると、かつての賑わいが見えてくるようだ。左側のマンションが建っている所も、かつては線路だったという。

 次に乗る列車は、先ほどの折り返し列車である。

 車内は空いていたので、席の確保に苦労はしなかった。列車は12:34に若松を発車、12:53に折尾に到着した。折尾で途中下車し、1916年(大正5年)建築の折尾駅舎を撮影した。

 続いて鹿児島本線上りホームに移動。ちょうど先ほどの駅弁売りのおじさんが店じまいをしていたところだった。弁当が売れるお昼前後のみの“営業”らしい。駅弁売りのおじさんは、弁当を入れていた木箱を棚の中に入れて、どこかへ行ってしまった。

 

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