JR発足20周年青春18きっぷで行く、サンクスフェスタ&宮地岳線乗車の旅@

2007年(平成19年)3月24日(土)、管理人は「サンクスフェスタIN九州鉄道記念館」と部分廃止が予定されている西鉄宮地岳線の乗車に行ってきました。

 2007年(平成19年)3月9日、私にある一通のメールが届いた。JR九州が配信している無料メールマガジンの「あっと九州 Mail」だった。毎回、様々なイベントの案内が掲載されているが、今回は「サンクスフェスタIN九州鉄道記念館」の開催について書かれていた。国鉄分割民営化20周年を記念するイベントであるそうで、鉄道部品販売も行われるという。前回のJR貨物のイベントでは、点数制限で部品があまり買えなかったし、青春18きっぷもあるので、早速参加することにした。

 しかし、佐賀―門司港間の単純往復だけでは面白くない。そこで、前回の旅行でできなかった直方駅舎の撮影と今年4月1日をもって西鉄新宮―津屋崎間が部分廃止される西鉄宮地岳線の乗車も行うことにした。しかし、旅の始まりは大幅に乱れることになった。

 当日。私は佐賀6:35発の門司港行き快速に乗ることにしていた。これに乗れば、門司港には8:55に着くはずだった。しかし、起きたら大雨だった。これでは自転車で駅に行けない。始発のバスに乗っても、駅に着くのは7時頃。さらに、いろいろと手間がかかったので、結局、7時15頃自宅を出ることになった。

 市営バスに乗り、駅に着いたのは7:40頃。これで行くと、門司港には10:36に到着することになるが、仕方ない。ホームに出ると、肥前大浦・早岐行きの813・817系7連が入線した。

 7:58、下り線ホームから意外な放送が流れてきた。

「6:53発寝台特急『あかつき』長崎行きの到着です。」

 そして、本当に「あかつき」が入線した。定刻より65分遅れている。おそらく、大雨のせいで遅れたのだろう。急ぐ客には「かもめ」への乗り換えが案内されたはずだが、外から見た限りでは、乗車率が7割ほどで、大半はそのまま乗っていたのだろう。

 佐賀8:06発、鳥栖行きの普通電車が入線した。車両は415系4連だった。

 乗客が一番少なかった先頭車の乗務員室後ろの座席に座った。更新車で、もちろんロングシートだったが、壁には「日本国有鉄道」と書かれた温度計が掛けられていた。これは新たな発見だった。

 鳥栖駅で、門司港行きの快速(811系4連)に乗った。しかし、車内は立ち席が出ており、人の少なかった運転席後ろで立つことにしたものの、基山、原田、二日市・・・と停車していくうちにどんどん乗車率が上がってゆき、最後は客室と運転室の間のガラス窓に顔を押し付けなければならないほどに車内はぎゅうぎゅう詰めになった。博多駅で大半の乗客が降りたので、今度は一気にガラガラに。座席の確保にも全然苦労しなかった。この差は一体・・・。

 門司港駅には、定刻通り10:36に到着した。門司港も大雨で、駅前では派手なものから地味なものまで、様々な花が揺れていた。

 傘を差し、九州鉄道記念館へ急ぐ。徒歩5分ほどで到着した。しかし、雨が降っているためか、開館時間から間もないためか、イベントを開いているような雰囲気はまったくなく、ゲート付近はテントが1つあるだけだった。入り口で入館料を払い、係員からイベントの一つである抽選会の券をもらい、奥へ進んだ。メイン会場はレンガ造りの本館前で、何人かの人が買い物をしていた。しかし、雨がひどいため、屋内に避難している人が多かったようだ。さて、最大の目的の鉄道部品販売はどこかと見回すが、それらしき人だかりはない。通常、どの鉄道イベントでも鉄道部品販売は人気イベントで、しばしば乱闘騒ぎになるほどの人数が集まるのだが・・・。そう思っていると、意外にも目の前に販売ブースの小さなテントがあった。しかし、部品を買っている人は2人だけで、むしろ係員の人数が多かった。

 このとき、私は直感した。部品を買いに来た人がなぜ少ないのか。実は、「サンクスフェスタIN九州鉄道記念館」の開催は、JR九州や九州鉄道記念館の公式サイトでも宣伝されていたが、そこには「鉄道部品販売」について一言も書かれていなかった。推測するに、これは極力参加人数を抑えようとする主催者側の判断だと思う。去年の小倉工場祭りでは実際にサボ販売で騒ぎになったし、先日行われたJR貨物のイベントでも、トラブルが発生し、集まった参加者が係員に罵声を浴びせる一幕もあった。悲しいことだが、主催者側と参加者側の信頼関係が上手く築けていないのは事実だし、仕方のないことだと思う。もっとも、参加者側とは言え、それはほんの一部の非常識人間が引き起こす乱闘が原因であり、本当は主催者側もたくさんの人に来て欲しいだろうし、良識のある参加者も穏やかな雰囲気のイベントを望んでいるはずだ。

 人が少なすぎる販売会というのも寂しいが、今回は仕方ない。早速私も品定めを始めた。

販売点数は、小倉工場祭りやJR貨物のイベントに比べると少ないが、サボや新幹線の駅掲示用時刻表が入った1000円・3000円の福袋や303系の停車駅案内(2000円)、寝台特急の寝台用電灯(2500円)、ばら売りのサボ(500円)などが売られていた。面白かったのは、運転時刻表。なぜか、JR九州とは縁もゆかりもない福知山線のものもあった。

 驚くべきことに、中央の台の上には、ホウロウ製や鉄板の行き先表示板が置かれていて、その上には「11:00〜オークションを開催します」という紙が載っていた。実際に、11:00が近づくにつれて、どんどん人が増えてきた。おそらく、オークションに参加するのだろう。しかし、11:00になって集まったのは15人ほど。やはり少ない。優しそうな顔の係員が「では、ぼちぼち始めましょうか」と言って、オークションが始まった。

 最初に出されたのは、現在改築中の久大本線小野屋駅の駅名表示板。500円から始まった。だんだん値段が上がってゆく。私も手を挙げたが、1500円で別の男性が落札した。どんどん出されていくうちに、オークションもヒートアップしてきて、どんどん値段がつり上がり、一気に何千円も飛び越えた値段を誰かが提示すると、「おおーっ!」という驚きの声が上がっていた。どの人も大金持ちで、小学校低学年くらいの少年も「わこうど」という列車名表示板を8000円ほどで落札していた。一体、どこのおぼっちゃまなのだろうか。係員の一人が、高額落札した男性に「大丈夫なんですか?こんなに買って・・・」と質問していたが、「カミさんは諦めてますから」という、強気とも受け止められる発言も飛び出した。

 値段の付き方には素材や列車名によって差があり、特にホウロウ製か鉄板かの違いが一つの判断材料だったようだ。最高落札額は9000円で、やはりホウロウ製のものだった。私は結局資金不足でオークションの品は買えなかったが、参加するだけでも楽しかった。

 最後に、係員が「これからも、このようなイベントを開催して参りたいと思いますので、ご期待ください。ちなみに、明日は平成筑豊鉄道のイベントでも部品即売を行います。おそらくここでの売れ残りでしょうけれども・・・」と締めると、参加者から一斉に笑いの渦が巻き起こった。やはり、鉄道のイベントはこのくらい楽しくなくては。

 私は、その後即売品の品定めを再開。最初に買ったのは、1枚500円でばら売りされていたサボ。行き先は「熊本」とその裏が「出水」。出水には、もうサボを付けた電車が走っていないので、かなり貴重である。さらに、値段交渉をしたり、しばらく悩んだりした後、最終的に1000円の福袋を買うことにした。この1000円の福袋には、「門司港」と書かれたサボや新幹線の程長いプラ板の時刻表などの実物部品の他、811系登場時パンフレット(内容は、811系をベタ褒めしたもの)やJR九州応援歌「鉄路轟々」、なぜか知らないがJR西日本福岡支社やJR九州ウォークのバッジ、運転士用の健康体操方法、北九州モノレールのカレンダーなど、謎の品々(?)のいくつか入っていた(モノレールのカレンダーは、別に「ご自由にお持ち帰りください」ということで、置いてあったが・・・)。しかしながら、これで1000円とは安い。他のイベントでも、ぜひ行って欲しい。

 買い物が済むと、私は本館の建物に入った。雨が降っているため、本館内にはたくさんの人がいた。ちょうど、811系の運転シミュレーターに並ぶ人が少なかったので、最初にこれを行うことにした。

 5分ほどで私の番が回ってきた。運転席に座ると、かなり緊張する。本物の運転台(事故廃車のものを流用したらしい)を使うとか画面の問題ではなく、後ろに並んでいる人の視線が気になるのだ。運転士のプレッシャーがよく分かった気がする。

 早速運転開始。駅を発車し、速度を90km/hに保つ。あまり出しすぎて、停まれないのは恥ずかしいからだ。次駅の600mほど手前で減速を始めたが、それでも遅すぎたらしく、結局6mほどオーバーランをしてしまった。ランクは中級。前回した時は、上級だったんだけどなぁ。

 

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