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さよならYS−11型・福岡空港往復ミニ旅行

YS−11型の引退を前に、福岡空港まで撮影に出かけたときの旅行記です。

 YS−11型。実際に空を飛んでいる姿を見たことはなかったが、有明佐賀空港で“静態保存”されているのは見たことがあった。NHKの番組「プロジェクトX」では、誕生までの秘話や技術者達の苦労が放送されていた。

 そのYS−11型が、2006年(平成18年)9月30日をもって、日本の空から、旅客機としては撤退することになった。幸い、同機最後の運航旅客会社となった「日本エアコミュータ」が福岡と鹿児島や高知、松山、徳島といった近距離路線でYS−11型を就航させているので、この機会に、と引退を約1ヶ月前に控えた8月27日(日)、福岡空港までの往復ミニ旅行を実行した。

 元々、私は飛行機にあまり興味がなかった。乗ったことがあるのは、修学旅行で沖縄まで1往復した全日空機だけだし、そもそも飛行機は鉄道のライバルなので、応援する気にもなれなかった。しかし、このYS−11型は、調べてみると、先述した佐賀空港をはじめ、日本各地で静態保存されているそうだ。まるで蒸気機関車のような扱いである。それに、高度経済成長期頃に登場した0系新幹線とも、時代的、社会的に同世代の関係である。私は、YS−11型が鉄道車両と似たような面を持っていることから、何だか放っておけないような気がして、わざわざこの旅行を実行したことの理由として付け加えておきたいと思う。

 今回、私は、佐賀〜博多間で特急回数券「2枚きっぷ」(2000円)よりも安く往復できる方法を見つけた。それは、佐賀〜鳥栖間、鳥栖〜博多間で乗車券を分割購入する方法である。佐賀〜鳥栖間は往復900円、鳥栖〜博多間は往復1080円なので、合計1980円。2枚きっぷよりも20円安い。特急列車を使うことはできないが、時間がある方や少しでも安く行こうと考えている方、特急列車の旅に飽きた方は、是非この方法で利用してみて欲しい。しかも、佐賀〜鳥栖間は、現在「佐賀駅移転開業30周年記念きっぷ」(900円)が発売されており、安く往復できる上に記念きっぷもゲットできる。当然ながら、私もこの記念きっぷ(下の写真)を購入した。

 旅の始まりは、佐賀8:47発の813系各駅停車鳥栖行き。

 去年か今年に行われたダイヤ改正で設定された列車である。しかし、日曜日であることもあると思うが、乗車率はあまり芳しくなかった。私が乗っていた2号車(中間車)は、神埼まで私の“貸し切り車両”だった。

 9:13、終点の鳥栖駅に787系「有明」と同時に到着した。一旦改札口を出て、鳥栖〜博多間の往復乗車券を購入した。その後、813系6連の各駅停車小倉行きに乗って水城駅へ。水城駅では、寝台特急「はやぶさ」の撮影を行うことにしている。少し早く到着したので、813系や787系、885系で撮影の練習を行った。

 10:15頃、寝台特急「はやぶさ」が遠くのカーブを曲がって、ウォーンという力強いモータ音を響かせながら、水城駅に近づいてきた。ちょうど良いところで1枚。撮影は成功した。次のトップページの写真は、これに決まりである。

 「はやぶさ」が水城駅を通過して間もなく、上りの各駅停車がやって来たので、早速乗った。竹下駅で、再び列車を降りた。竹下駅で快速「ムーンライト九州」の車両やキハ28形を撮影した。

 次の各駅停車に乗って博多駅へ。博多駅では福岡空港行きの福岡市地下鉄に乗り換えた。車両は初代車両の1000系だった。車内には、旅行カバンやキャリーバックを持った人が多く乗っていた。これからそれぞれの目的地に向かって旅立つのだろう。途中、東比恵駅のみに停車し、福岡空港駅に到着した。

 地上に出た。そこは国内線第一ターミナルの建物前で、途中の入り口から屋内に入った。

 展望室へ行くための階段を探したが、よく分からなかったので、エレベーターで一旦3階まで行った。そこには展望室らしき場所があったので、早速行ってみた。しかし、何人かの見物客がいたものの、金網のフェンスが張られており、とても展望できるような場所では無かった。どうやら違ったらしい。なので、もう一度1階に降りて探してみると、エレベーター横の案内板に、「展望室・ゲームコーナーへは、送迎用デッキ入り口横の階段をご利用ください。」と書いてあった。そこで、もう一度行ってみると、「ゲームコーナー」と書かれた螺旋状の階段を発見した。ここのことだと思って登ってみると、案の定、展望室があった。今から8年前に福岡空港を訪れたときは、入場料として50円を徴収された記憶があるが、どうやらそれは国際線ターミナルの展望室だったらしい。言われてみると、その時に訪れた展望室は、もっときれいな展望室だった。

 そう思っていると、左手から一機の旅客機がゆっくりと近づいてくるのが見えた。たった今、鹿児島から到着したばかりの福岡11:40着の日本エアコミューター3648便として運用されたYS−11型だった。私の周りにも何人かの“航空ファン”が居て、盛んにカメラのシャッターを切っていた。それはまるで鉄道ファンが引退間近の列車や車両を撮影している姿のようだった。

 搭乗口には接続できないのか、所定の位置まで来ると、はしごが降ろされて、乗客がぞろぞろと降りてきた。

 背中には、「ありがとう 日本の翼 YS−11」という文字が書かれており、ドアにも赤いマークが描かれてあった。その後、しばらくしてYS−11型は方向転換を行った。

 ここで、YS−11型に関するデータを少し載せておきたい。YS−11型は、短距離滑走路でも発着できる小型のプロペラ旅客機で、1962年(昭和37年)に初飛行を行った日本唯一の国産旅客機である。全長26.3m、全高9mで、巡航速度は444km/h。航続距離は、1110kmである。現在、旅客機として運航している会社は、日本航空系列の日本エアコミューターだけである。

 12:10頃、松山から飛んできたYS−11型が北の空から入ってきて高度を下げ・・・

着陸した。

 一方、先に到着した鹿児島からのYS−11型は、松山発機に場所を譲るために移動を開始。すると、何とデジカメの画面に、2機がいっしょに映し出されたではないか!

 鉄道で言うならば、ホームに寝台特急だけが停まっているとか、引退間近の車両が、車両基地で運良く並んだといったところだろうか。当然ながら、展望室はシャッター音の嵐である。

 松山発機が到着するのを見届けて、12:15頃展望室を後にした。もと来た道を歩き、地下鉄の駅に到着した。券売機で博多までのきっぷを買おうと、ボタンに手を伸ばしたとき、ある表示が目に付いた。「おとなりきっぷ100円」。よく読んでみると、次の駅まで乗る際は100円になるのだそうだ。博多は途中に東比恵をはさんで2駅目。通常料金は250円だが、分割して「おとなりきっぷ」を2枚買うと、200円。差し引いて50円が残る。手間はかかるが、これは安いと思って、実際にその方法できっぷを買った。きっぷコレクションも増えるし、まさに一石二鳥である。

 2000系に乗って、東比恵で下車。

 すぐにきっぷを買い直し、ホームに戻った。相互乗り入れを行っているJR九州の303系に乗り、先ほど乗った2000系より7分遅れて博多駅に到着した。

 50円と7分。どちらの価値が大きいか。それは人それぞれだろう。

 JRのホームに行くと、ちょうど811系快速鳥栖行きが発車を待っていた。真っ赤な車体色のスペースワールド編成だった。

 空席は少なかったが、2人掛け座席ごと空いている座席を見つけたので、そこに座った。

 博多駅発車直後、キハ28・58形3両編成の回送列車が博多駅構内に入線しているのが見えた。上り方向だったので、もしかすると小倉工場に向かっているのかもしれない。

 基山では3分停車。一番端っこのホームでは、甘木鉄道の気動車が発車を待っていた。

 特急を先行させた後、信号が青になり、快速は基山駅を発車した。と、同時に甘木鉄道の気動車も発車した。ここから甘木鉄道の分岐点までは約400m。どちらが勝つのか、とドキドキしながら見ていた。

 さぁ、始まりました。811系対甘木鉄道の“偶発的”レース。性能面では811系の方が上回るのですが・・・おーっと気動車がぐんぐん加速する!そして加速中の811系を抜いたぁーっ!一方、両列車の乗客はお互いに手を振り合っています!何とのんきなことでしょう!しかーし、811系も加速し、ついに気動車を抜いたーっ!ところがぁ・・・制限があるのか、ある一定の速度より上がらない!その隙をついて、気動車がぐんぐん追い上げて来る!来る!来る!抜いたところでゴールイン!気動車はカーブを曲がり、誇らしげに甘木方面へ去って行きます!ゴールインしたところで、811系、ようやく加速を開始しました・・・・。

 と、事の一部始終を実況中継風に表現すると、こんな感じである。もちろん、列車は速く走れば良いのではない。安全第一が最優先である。

 13:27、電車は終点の鳥栖駅に着いた。降りる間際に、車端部に設置してある自由席/指定席の車内案内を見ると、なぜか「指定席」表示に・・・。団体列車にでも使ったのだろうか。

 ドアのすぐ近くに名物のうどん屋があったので、早速「かしわうどん」(290円)を注文した。時間が無いので、急いで食べなければならない。幸い、他にお客さんはいなかったので、うどんはすぐに出てきた。

 う〜む。鳥栖駅のうどんはいつ食べてもおいしい。だが、言われてみると、確かに、なぜか一番美味いとされる5・6番乗り場の店舗に比べれば、やや味が劣る気がする。味に差が出ることについては、経営している中央軒も分からないという。

 13:35に食べ終え、何とか13:36発の817系各駅停車肥前山口行きに間に合った。日中とあって、空席が多く、席の確保には苦労しなかった。進行方向には真っ黒な雲が居座っていて、肥前麓駅に着いたとき、ピカッと光ったのが見えた。中原駅を発車すると、大粒の雨が降ってきた。そして、吉野ヶ里公園駅到着前には、見たこともないような太い稲妻が、雲と地上の間を走った。あれが木造家屋に直撃すれば、もしかすると火災が発生したかもしれない。

 佐賀駅に着いたときも、雨はひどく降っていたが、5分もすれば止んだ。

 私は今の内だ、と急いで駅を出て、自転車に乗り、逃げるように自宅に帰った。最後は雷雨に遭うというあまり良くないことで終わったが、一応、今回の目的は全て達成した。次回は、小倉工場祭り旅行を予定している。長距離旅行は、その時までお預けである。

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