JR発足20周年記念青春18きっぷで行く、北九州・中津ローカル旅行C

今回の目的は盛りだくさん。813系1100番台、北九州貨物ターミナル駅5周年記念祭、JR九州スタンプラリー「中津駅」訪問などなど。

  折尾駅を過ぎると、だんだん乗客は減ってゆき、車内は閑散となったので、通常の座席の方が補助席よりまだマシだろうと思って席を移動した。よく観察してみると、この電車は817系1000番台で、座席の座布団の形状が微妙に違ったほか、湾曲した手すりが取り付けられていた。しかし、実のところ、この手すりは「持ちにくい」という批判がある。

 途中、山陽新幹線と交差した。1月に0系「こだま」に乗ったとき、新幹線と筑豊本線が同時交差したので、今回もそれがあればいいなと思っていたら、何と300系新幹線と同時交差したのである。新幹線と筑豊本線の電車というのは、案外仲が良いのかもしれない。

 16:23、電車は直方駅に到着した。せめて駅名表示板だけでも・・・と思い、1分の乗り換え時間で何とか撮影した。

 次の博多行き快速電車も、817系1000番台で、4両編成だった。しかし、この長編成が空しいくらいに乗っている人がとても少なかった。

 電車は、16:24に直方駅を発車した。直方駅構内に留置されていた817系の中に、前面のLED行き先表示が大きい電車が停まっていた。ちらっとしか見えなかったが、間違いなく今春登場した817系1100番台だろう。

 

 新飯塚駅には、後藤寺線のキハ31形が停まっていた。キハ31形は宮崎や大分などから転属してきたもので、筑豊本線の若松―折尾間、桂川―原田間、それに後藤寺線などで走っている。

 桂川駅を過ぎると、篠栗線に入り、山の中を走るようになった。トンネルをいくつも抜けると、だんだん住宅が増えてきて、乗ってくる人も多くなった。電車は博多行きだったが、1つ手前の吉塚駅はまだ一度も降りたことがなかったので、駅舎の撮影をかねて途中下車した。

 駅周辺はまだ再開発中という感じで、実際に入り口の前にして空き地が広がっていた。

 吉塚駅から下りの813系快速電車に乗った。車内は立ち席の人がかなりいて座れなかったが、次の博多駅で8割くらいの人が降りてしまったので、座席に座ることができた。快速にしばらく乗った後、二日市駅で813系各駅停車荒木行きに乗った。実は、けやき台駅から通う同級生からの要望で、「ぜひ『けやき台駅』を取り上げてほしい」ということだったので、その声に応えるべく、各駅停車に乗り換えたのである。

 けやき台駅で予定通り途中下車した。途中下車印を押してもらおうと駅員さんに頼んだら、間違えて“きっぷ”ではなく、“途中下車印”を差し出された。駅員さんは慌てて「ああ、間違えた!こっちだ」と間違いに気づいたが、私も笑ってしまった。少し暗かったが、外に出て駅舎を撮影した。けやき台駅は、橋上駅で、1つのドームを持っているという特徴がある。

 次の各駅停車で、今度は田代駅に向かった。こちらは、既に「JR九州 あの駅、この駅」でページがあったものの、写真が気に食わなかったので、駅初訪問を兼ねて撮影することにしたのである。田代駅で途中下車し、外に出た。すると、ポツポツと雨が降り出していた。今頃になって雨が降り出してきたのである。私は急いで駅舎を撮影し、屋根のあるホームに戻った。

 田代駅のすぐ隣には、「鳥栖貨物ターミナル駅」があった。しかし、構内で動くものは雨粒だけで、「雨の降る真夜中の貨物駅」という言葉がぴったりくるくらいの静けさだった。水銀灯に照らされた雨を見る限り、いよいよ本降りになってきたようだ。でも、誰もいない駅で雨の中待つというのも、なかなか面白いものだ。

 18:46発の415系各駅停車早岐行きに乗った。8両編成である。始発は下関で終点は早岐。全ての駅に停まるという、九州でも有数のロングラン電車である。一度、始発から終点まで乗り通してみたいものだが、残念ながらほとんどの座席がロングシートで、1編成中、先頭車の車端部に一つだけ、半ボックスがある。しかし、これはロングシートに座っている人を横から直視してしまうことにもなり、何とも居心地が悪い。

 鳥栖駅では、12分停車した。その間、私は公衆電話で自宅に帰宅時刻を告げ、車内戻ったが、それでもロングシートが満席になることはなかった。

 佐賀駅には、19:26に到着した。幸い、雨はやんでいた。「アクリル遮光板」も自転車のかごに入ったので、無事自宅に帰ることができた。

 今回の旅行は、行って良かったか、と問われると、答えるにはちょっと躊躇してしまう。しかし、“大人の醜い現実”と“他の人に対する思いやり”という、正反対の場面を目撃したことで、考えることができたことは、良かったと思う。

 しかしながら、鉄道のイベントであのようなことをする者がいるから、鉄道ファンが蔑視されるのだ。結局、あのメガネ青年たちは、周りの人が自分のことを何と思っていようと、どうでもいいのだろう。それが今の日本社会の堕落を促進し、電車の車内で携帯電話の通話や化粧をする人が出てくることにも関係しているのだ。そうした行為を「恥ずかしい」と思う人が少なくなってきているというのは、本当に残念である。

 普通電車は、「社会の縮図」であると思う。今の日本の現実を見るために、「青春18きっぷ」を使うのも、この「きっぷ」の使用方法の一つだと思う。

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