佐賀県JR全線制覇&時刻表検定の旅B

佐賀県JR全線制覇&時刻表検定の旅Bです。   いきなり飛行機の問題が出た。さらに時差を求めたり、指定された条件で成田空港に到着する成田エクスプレスを解いたりする問題が出た。この大問を通過するのに15分くらいかかった。その次の大問も最初の大問と関連していて、私が苦手な私鉄やバスの、しかもあまり縁がない箱根や伊豆の問題だ。だが、時刻表検定は、いかに早く、その答えを1000ページ以上に及ぶ時刻表の中から見つけださなくてはならないかが合否の鍵だ。黙々と解いていくしかない。途中、時刻表を見なくても分かる問題が数問あったが、あと30分というのに、60問中30数問しか解けていない。幸い、後半は前半に比べて分かりやすい問題が多かったのだが、最後の数問はもう解いた記憶はない。なぜか低空飛行の飛行機の爆音だけはなぜか覚えている。(一応全部書き込んだが、自宅に帰って、記憶を辿って採点すると、122点。2級合格ギリギリで、あと1問間違えていれば、不認定。去年は第一種、第二種とも、作成した協会側のミスで、何問かが一律加点となったケースがあったものの、この境目ギリギリ、上がるか落ちるかの位置にいるのは、心配である。ちなみに、配られた解答と解説の文章に、早速間違い発見。「津軽石駅」は山田線にあるのに、釜石線と書いてあったのである。なお、試験結果は同年12月25日に判明、2級に合格していた。)

 さて、14時30分に試験は終了した。早々と部屋を立ち去る人もいれば、机に座り、配られた解答を元にそのまま採点をしている人もいた。私は、ざっと解答を見た後、溜め息を付いたり、にこっとしたり、傍目から見れば、かなり怪しい表情をしていたに違いない。もと来た道を、薬院駅に向かって歩くが、残金が少ないことを思い出した。方向音痴になったことはないので、天神にたどり着ける自信はあった。150円浮くだけだが、どうせ今年はもう見納めになる福岡の街。一駅歩くことにした。薬院駅前を東西に通る道路を東へ向かい、しばらく行くと、大通りとぶつかった。そこを北に進む。考えてみると、ちょうど七隈線の上を歩いていることになる。福岡の街は、当たり前だが人が多い。佐賀県民の場合、福岡から帰ってくるたびにどの口も「いや〜、福岡ん街はどがんでん人の多かっ!」と嘆くのだ。私も何度同じ言葉を口にしたことか。だが、交通マナーは佐賀県に劣らず悪い。完全なる赤なのに、自転車で堂々と何車線もある道路を横断したり、違反駐車・駐輪をしたりしている風景をよく見かけた。果たしてオリンピック誘致に本気を出しているのだろうか。この状況ではあの都知事に九州初のオリンピック開催を持っていかれてしまうのではないかと思う。

 しばらく行くと、天神地下街の入り口が見えた。やっと到着・・・したのは良いが、ここから福岡市地下鉄の「天神駅」まではかなり歩かなくてはならない。人混みを急ぎ足で追い越していく。地上に劣らず、地下もかなり多い。5分ぐらい歩いただろうか。やっと地下鉄の天神駅に到着。200円のきっぷを買い、改札に入る。4、5分で次の福岡空港行きがやってくるようだ。階段付近はたくさんの人が並んでおり、若干少ない中央付近の列に並ぶ。やがて遠くからガタンゴトンと響いてきて、ヒューンという音を各車両から一斉に出しながら、1000系電車が入ってきた。車内は一部に空席が見られたものの、この多さで座るのは難しい。乗る前に諦めた。どうせ博多は3駅目、6分で着く。乗ってすぐ、ドアが閉まり発車した。自動放送が流れてきた。「次は中洲川端、中洲川端。箱崎線はお乗り換えです」。前から思っていたのだが、この自動放送の女性の声、よく聞いていると、JR九州の特急の自動放送とかなり似ている。同一の方の声なのだろうか。さらに言うと、博多駅や小倉駅、今朝の肥前山口駅の自動放送の声と似ていなくもない。なぜだろう・・・。博多に着いた。(下の写真は別の日に撮影したもの。)

 改札口で例によってきっぷに無効印を押してもらって退場し、地上に出た。今まで何度も訪れた博多駅だが、来るたびに必ずどこかが変わっているので、ちょっと戸惑うが、JR九州の改札口を見つけ、その隣にずらりと並んだ自動券売機で佐賀までの乗車券(1080円)を購入。すぐに改札を入った。本当は、天神から高速バスで佐賀に帰った方が安いのだが、最近できた3番乗り場の切り欠きホームを見たかったので、JRを選択した。鉄道で一周するということや、原田に寄れる、少しでも電車に乗っていたいといういろいろな想いでJR利用を選択したのだった。

 早速2・3・4番乗り場へ行く。3番乗り場は、もともと他のホームとほぼ同じ造りだった。時刻表を見ていただくと分かるが、3番乗り場には博多〜長崎の885系「かもめ」と、わずかながら普通列車数本が発着している。だが、実際行ってみると、「切り欠き」というのは、見た目上のことで、ややこしい説明で申し訳ないが、実際には、もともとあった3番線ホームの内、東半分を簡単な造りのホームで張り出させ、元々通過線(留置線?)として使われていた線路に、1番乗り場の移動の伴って、対岸ホームから玉突き的に移動してきた2番線を造り、西半分の張り出していない部分を3番線として、そこを「かもめ」専用のホームにしたのだった。さらに工事費節約なのか、張り出しの2番線の下には、かつて使われていた線路のレールや枕木がはがされずに放置されていた。ちょうど「かもめ」が入線してきた。乗客がどっと降りてくる。そして前照灯が消された。

 切り欠きホームなので、真っ正面から列車を撮影できるというのが、この3番線の利点である。そういえば、午前中は移動してばっかりだったので、伊万里駅停車中の車内で食べたパン1個を除けば、何も食べていない。早速博多駅ホームのうどん屋で最も安いかけうどんを購入した。九州は、ホームにうどん屋のある駅が多い。一番有名なのは鳥栖駅だが、大牟田駅にも、熊本駅にも、今年の夏に利用した福間駅にもあった。また、自分が発見した分では小倉駅と博多駅にはラーメン屋もある。晩秋の寒い風が吹き込んでくる中で食べるうどんは、温かいし、おいしい。私以外にも男性がうどんをすすっていた。ネギを入れすぎたので、多少ネギくさくなってしまったが、おいしく食べた。

 さて、さっきの「かもめ」も回送されてしまい、このホームには用がなくなったので、下り鳥栖方面行き普通・快速が発着するホームへ行く。快速ではなく、1駅ごとに停まっていく、鳥栖行きの普通を選んだ。鳥栖行き到着までは時間があるので、811系や二日市行きの415系8連を見送ったあと、813系6連の鳥栖行きが到着。3分ほど停車するという。そして発車ベルが鳴り、15:57に発車。発車してすぐの間はゆっくりだったが、制限区間を過ぎると加速。次の竹下駅構内にはキハ28−2387が1両で留置されていた。数年前に佐賀のバルーンフェスタの臨時列車としてこの車両が運用に入っていた。笹原の次の駅、南福岡では特急先行のために数分停車。しかし、特急が遅れているらしく、ここでの特急先行を諦め、電車は発車し、数駅先の太宰府信号所で待避を行った。この信号所は数年前にできたもので、本当かどうかは分からないが、いずれは旅客駅に格上げされるらしい。885系「かもめ」と787系「リレーつばめ」が通過していった。運転室後ろで通過の様子を見ていたが、「かもめ」は高速通過だったのに対して、「リレーつばめ」は遠慮がちに通過していった。

 二日市を過ぎ、天拝山を発車すると、次は原田だ。原田は今年の2月に、友人達と訪れたことがある。原田は有名な撮影スポットで、足を運ぶ人も多い。原田でいったん列車を降りる理由は、寝台特急「はやぶさ」の撮影。時間的に厳しいのだが、見るだけでも価値はあるだろうと判断し、いったん降りたのだった。私が乗っていた前3両の813系は200番台だったが、後3両は紫外線カットガラス仕様の300番台だった。しばらくすると、787系「リレーつばめ」がやってきたのでビデオカメラで撮影・・・したのはいいが、通過して直後、テープがなくなった。往路で風景を撮りすぎたらしい。1眼レフのフィルム枚数も残り1枚。この1枚は「はやぶさ」用に温存するため、「はやぶさ」通過予定時刻よりも早めに、4番乗り場へ移動した。「はやぶさ」などの特急は、3番線を通過する。811系や813系が停車しては発車していく。415系の回送列車だけは、かなり長く停車していた。そして、通過時刻よりやや遅れて、「はやぶさ」が姿を現した。ED76のモータ音が大きくなっていく。暗くなっていたが、失敗すると分かって、ホーム中程を通過する「はやぶさ」を撮影。さらにもう1枚撮れるようなので、もう1枚。そして終わった。

 今日の乗車率は、カーテンの状況から、以前見たときに比べて少なめだが、博多からも乗ってくる客はいるだろう。そう思いながら、通過していく14系客車を見送り、丘の陰に隠れるまで見ていた。さて、今度は鳥栖に向かわねば。次の鳥栖方面の快速を利用。普通でもいいのだが、鳥栖で接続する佐賀方面早岐行きの座席確保で不利になる。なので、早く着く快速を選んだ。快速はほぼ満席に近く、立つことになった。基山の次は鳥栖。鳥栖で先程述べた早岐行きに乗り換えなければならないが、その列車はまだ入線しておらず、回送待ちの817系がドアを開けていたので、間違えて乗ってしまった人もいた。817系が回送された後、813系300番台が入線。発車3分前の17:55頃の入線だった。早めに並んでいたので、好きな座席を確保できた。だいたい満席になったところで、17:58に発車。今年の2月に、この時間の列車を利用したときは、811系での運用だったので、何が理由かは不明だが、1両減車されたことになる。辺りはもう真っ暗で、沿線の家々や自動車の灯りが後ろへと流れていく。去年12月の「青春18きっぷで行く北陸経由東京旅行」を思い出した。夜の、ネオン輝く街を走る山手線や新快速、同じ夜でも、真っ暗で人気のない、列車の前照灯だけが頼りの場所を走る気動車にも乗った。夜の列車に乗ると昼間以上にわくわくするのはなぜだろう。夜行列車に乗る時も同じような気持ちだ。旅立ち、というのは、本来、同じ場所でも昼間とは違う風景、車内の様子、夜行列車なら目覚めれば目的地のことで、わくわくもするし、不安な気持ちにもさせてしまう夜が最も相応しいのかもしれない。

 今年は11月にしてもう乗り納め。そのラストとなったのはこの813系になった。受験が終われば、またどこか遠くへ行こうと思う。東京にするか、北海道にするか、「はやぶさ」に乗るか。その前に受験になんとしてでも合格しなければならない。約25分で佐賀に到着。普通列車から降りて、ごく普通の駅の階段を降り、ごく普通の改札口を通って、この旅は終わった。見た目上は普通の終わり方だったが、気持ち(人生)だけはいつまでも旅をしているのだ。その人生の旅を、自分にとってもっと素晴らしいものにするための最初の関門が、2、3ヶ月後に控えている。

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