存在感薄い?――平成19年春、817系1100番台登場

813系1100番台に続いて登場した、大型LED表示が特徴の817系1100番台の特集です。

LED表示を大型化したが、断面の形状は従来車のままとなった817系1100番台。2007年4月3日・小倉駅で撮影。

 顔のデザインなどで賛否が分かれる813系1100番台については既に特集しているが、その後、817系にも新番台車が登場した。奇しくも813系と同じ817系“1100番台”である。

817系1100番台の特徴

 817系1100番台は、2007年(平成19年)2月下旬に合計4編成が甲種回送されてきた。これは、813系1100番台の先着編成とは20日ほど遅い。817系1100番台の特徴は、やはり従来車より大型化された前面・側面のLED式行き先表示であろう。前面行き先表示は、それまで運行方式、行き先、経由線区で分かれていたものを一つにまとめ、全て一つの表示器で表示している。側面行き先表示は、大型化に伴い、そのすぐ下の窓の縦寸法が縮められている。ただ、813系1100番台と違うのは、大型LED表示を従来車の断面形状のままにして収め、デザイン性がそれほど損なわれていないことだ。また、側面LED表示も、中間ではなく、従来車と同じく連結部側車端部に設置されたため、こちらもそれほど違和感がない。

 車内にも変化が見られる。例えば、座席の座布団が、それまで左右1人ずつで独立していたものを2人用にした。これにより、若干座り心地が改善されたものと思われる。なお、窓は従来通り紫外線カットガラスである。

 2007年(平成19年)4月現在、投入された全4編成が主に福岡県の福北ゆたか線で活躍している。

ちょっと存在が薄いかな?

 ただ、それゆえに813系1100番台に比べると話題性に乏しいのも事実だ。大型LED表示の設置は、キハ220形200番台、813系1100番台に続くもので、それほど珍しいことではなくなってきていることも挙げられるだろう。デザインも従来車に比べてあまり違和感がなく、賛否の話題もあまり盛り上がっていない。また、4編成しかなく、遭遇する確率が小さい上に、運用線区が福岡県内の福北ゆたか線に限定(門司港駅まで乗り入れる電車もある)されており、他地域の人の目に触れにくい。817系1100番台にしてみれば、文句を言われない代わりに盛り上がりに欠けているため、喜ぶべきか悲しむべきか悩んでいることだろう。

 

817系1100番台写真館

前面の大型LED表示。行き先の他、「ワンマン」や列車種別、経由線区も表示できる。2007年4月3日・小倉駅で撮影。

側面の大型LED表示。左が1100番台、右が従来車。左:2007年4月3日・小倉駅で撮影。右:2005年1月23日・佐賀駅で撮影。

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